研究室の位置づけ
研究室とは、社会人へと脱皮するために必要な訓練に励む「道場」です。言い換えると、自己研鑽のための鍛錬の場であり、トレーニング・プログラムです。
受け身で学ぶ学生から、社会人(プロフェッショナル)へと脱皮するために、研究を通して「責任をもって主体的に仕事に取り組む」訓練をするのが、研究室です。
当研究室では、研究を通して、以下の3点を修得するための訓練を行います。
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1.プロフェッショナリズム
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2.課題解決能力
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3.物事を修得するコツ(守破離)
当ラボでの訓練には、2つの「しゅぎょう」の側面があります。
1.修業:技術を磨き、専門性(業)を高める
2.修行:心を磨き、人間性(行)を高める
修業を通して修行することができます。しかし、それはあなたの心がけ次第です。
充実した時を過ごし、成長して成果をあげ、結果として他人から評価されるには、設定した適切な目標(課題)に対して、「情熱的に、かつ持続的に努力する」ことが肝要です。
そして、成長と成功体験を積むことにより、視座が高まり、新たな目標が見えるようになります。このポジティブ・サイクルを回す(成功のスパイラルを登る)ことができると、自分のベストを発揮し、努力する過程を充実させ、かつ他人からの協力と評価も得られるようになります。
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京都大学にある研究室としての社会的責任
京都大学には、100年以上に渡り多額の税金が投入されてきています。これは、国民(納税者)から期待され、そして、信頼を勝ち取ってきた証です。
また、「自由の学風」を標榜し、人々の期待を超える「オリジナリティ溢れる仕事」を通して、与えられたサポートに対して社会に答えてきた実績があります。
1924年に創設された当分野(栄養化学分野)は、社会の要求する栄養学的なニーズに対して、そのつど的確な研究方針を柔軟に打ち出すことで、栄養の革新を担ってきた実績があります。
京都大学としての伝統、栄養化学分野としての伝統を継承し、さらに発展させるために、当研究室では「栄養代謝の革新を担う」ことを標榜し、以下の3つの使命に取り組んでいます。
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1.他大学の追随を許さないレベルの革新を目指す
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2.現在のみならず「未来における未解決課題」に取り組む
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3.最先端の知(フロンティア)を切り拓く
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入室希望者に求めるもの
禅の世界では、「道場で暮らしていると、自然と体に刻まれるものがある」と言います。学びの場としての研究室の雰囲気は、研究室のメンバーが創り出すため、メンバーに加わりたい入室者にも、心構えを問います。
研究室として社会的使命・責任を果たすこと(研究)と教育(トレーニング)を両立させるために、入室者にも覚悟(自己研鑽に対する真摯な意欲)を求めます。真剣に自己研鑽に励みたい方は歓迎します。
訓練のためのリソースとスペースに限りがあるため、短期間(学部卒・修士卒)でササっと就職したい方には、他に行かれることをお薦めします。
- 内部生の方は、配属先を検討する時点では研究経験がまだありませんので、入室後に進路について考えていただいて結構です。
研究にハマる(情熱的に没頭し、充実感を味わう)かは、人それぞれであり、やってみないと分かりませんので。
- 外部(修士課程)からの入室希望者の方は、博士進学を念頭に置いている(時間をかけて訓練する意欲がある)方のみ、相談にのります。
- 既に社会人の方は、各自事情が異なるでしょうから、相談にのります。
師としての私の役割は「弟子を磨くことを通して、自分の磨き方を習得させ、結果として光らせること」であると考えています。
ですので、しっかりと時間をかけて訓練し、高みを目指したい方は、「研究室 = 道場」への入室を歓迎します。切磋琢磨しあえる仲間になる素質があると思います。
以下の3つの特性をお持ちの方が、当ラボには向いています。
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1.旺盛な知的好奇心と向上心
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2.学問に対する情熱
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3.ベストを目指して努力し続ける姿勢
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栄養化学分野 教授 佐々木努
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